無料公開で今すぐ読める!猫にまつわる名作純文学3選

猫の純文学

おうち時間が増えてきた今日この頃、たまには愛猫とともにまったりと読書を楽しむのも乙なものですよね。著作権の切れた文芸作品を無料公開している『青空文庫』なら、書店に足を運ばなくてもスマホから今すぐ文学の世界に浸ることができますよ。

今回は、そんな青空文庫で読める、猫好きにおすすめな名作純文学をピックアップしてご紹介していきたいと思います♪

目次
■純文学デビューにもおすすめ。夏目漱石『吾輩は猫である』
■ペットロスに寄り添う…内田百閒『ノラや』
■猫の奔放な魅力がさく裂。谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のをんな』
■文豪の猫愛にどっぷりと浸って


純文学デビューにもおすすめ。夏目漱石『吾輩は猫である』

吾輩は猫である

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」

日本文学の中でもっとも有名な書き出しといえるのではないでしょうか。猫の目線から人間や社会を観察した新鮮な語り口で、夏目漱石の処女作にして当時から大変な人気を博しました。

純文学ってなんだか堅苦しくて私には難しそう…とネガティブなイメージを持っている方にこそ、『吾輩は猫である』はおすすめできる作品です。とにかく内容がライトで読みやすく、スラスラと読めてしまうのです。

人間のことがよくわからないなりに鋭い観察眼を持っている「吾輩」と、飼い主である英語教師の苦沙弥(くしゃみ)先生、彼らを取り巻く変わった人びととの暮らしがユーモラスにつづられています。

『吾輩は猫である』のモデルとなった漱石の飼い猫が亡くなると、漱石は親しい人や門弟に死亡通知書を出したといわれています。そして、猫ちゃんが眠る墓石に『此の下に稲妻起る宵あらん』という句を添え、月命日には鮭の切り身と鰹節を供えました。

漱石の愛猫に対する思いが伝わるエピソードですよね。



ペットロスに寄り添う…内田百閒『ノラや』

ノラや

これほどまでに猫愛が深い作品は他にないかもしれません。

飼い猫であるノラがある日ふらりと出て行ったまま戻らず、すべてを投げうって探し回り悲嘆にくれる日々がエッセイとして綴られています。迷い猫のために2万枚以上も広告を刷り、大枚をはたいて新聞広告を打ち、果てには外国人に拾われているのかもと英字ポスターまで制作してノラを探し続ける百閒。ペットを飼ったことのない人からすれば笑ってしまうほど狼狽し泣きくれるさまは、ペットロスを経験した飼い主さんにとっては強く心を打つに違いありません。

ノラにそっくりな仔猫・クルツがなんとなく居つくようになって、だんだん情が動いていく描写もほほえましく、なんて愛情の深い夫婦なんだろうとほっこりします。

百閒は他にも、先に紹介した『吾輩は猫である』のパロディ『贋作 吾輩は猫である』を発表しており、原作では不遇な最期を遂げる「吾輩」に救済を与える作品で、こちらも猫好きにおすすめしたい一冊ですよ。


猫の奔放な魅力がさく裂。谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のをんな』

猫と庄造と二人のをんな

気まぐれで甘え上手、わかりやすいかと思いきやミステリアス……人が愛してやまない、猫ちゃんのそんな魅力が詰まった作品です。雌猫のリリーを中心に据えながら、3人の男女の愛憎模様が緻密なタッチで描かれています。

元夫とよりを戻すための駆け引きの道具としてリリーを引き取りたいと申し出る品子、品子の言うとおりに動くのは癪に障るものの、自分より庄造に愛されるリリーが疎ましい福子、流されやすいゆえにリリーを品子に渡したものの、未練を断ち切ることができない庄造。三者三様、男女の”どうしようもなさ”を主題に置きながらも、リリーの猫らしい魅力を質感まで感じられるほどリアルに描写しています。

愛猫家の皆さんは、作中の人物たちと同様、リリーに心惹かれていくことでしょう。


文豪の猫愛にどっぷりと浸って

愛猫家向けのおすすめ本

書斎にこもりがちでクリエイティブな感性を持つ文豪からこそ、ことさら猫ちゃんを愛でた愛猫家は数多く存在しています。

そんな彼らの目線を通して改めて猫ちゃんにフォーカスしてみることで、新たな魅力を発見できるかもしれません。この冬はぜひ、猫愛にあふれた純文学の世界に浸ってみてくださいね。



 

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